水防災考学

 毎年のように繰り返される水害、地球温暖化、気候変動に伴う水災害の激甚化に対し、水防法も頻繁に改正され、平成25年度災害対策基本法改正に伴い、地区防災計画制度が整備されるも、全国の自治会・自主防災組織による、地区防災計画策定に至るところは少なく、さらに、大規模震災による防災計画が主であり、水防災計画までに至るところは、殆どみられない。国土交通省の水防災意識改革ビジョン施策や内閣府、国立防災科学技術研究所が進めるSIP(戦略的イノベーション計画)、水防法改正などの上位施策の、地区防災計画【風水害編】への落とし込み、財政の厳しい地方自治体、地方ひとりひとりの市民への浸透、共助社会の構築を如何にすすめるか、ここで論考する。


【内水はん濫と外水(洪水)氾濫】

●河川沿い低平氾濫原のみでなく、台地部でも、内水(浸水)被害は、大河川(直轄)洪水氾濫より頻繁に発生する

●氾濫低平地は、旧河川の運んできた土砂による、洲や微高地で昔は水田として営農者が住み着き、洪水時の氾濫流を避けるため、堤防を築き河川を堤外地に押し込めた。このため河川の高水敷高さは氾濫低平地と同程度であることが多い。

●内水氾濫でも、地下空間浸水、農業用排水路などにより死者が発生した事例がある

●台地を削った中小河川は急勾配で流れもはやく、上流側は、「くさいものには蓋」で蓋掛けされ下水道施設として、河川管理者から下水道管理者に移管されていることが多いため、その上部を内水氾濫水が走るので危険。(河川管理施設としては縦断的連続上空占用はありえない)

●大河川の避難情報により避難する場合、内水氾濫で避難できなくなる場合も想定する必要がある【避難時水害ハザードマップ】が必要と考える

●都市型水害とは、下水道、中小河川、大河川などの様々な規模の排水、治水システムが輻輳した市街地で、これら内外水が互いに干渉し合い、混合して発生する水害をいう、と考えます。